2月10日からの陶展に向けて、作品作りが佳境に入っています。
いつも展示会の前は、夜と昼がぐっちゃぐちゃになる連れ合い。
連れ合いの仕事場は、家の玄関です。
賃貸の家はとても狭いのに、玄関だけが結構広くて
そこに電動ロクロと仕事机と、スチールの棚を2つ置いて
仕事をしています。
ドアを隔ててもうひとつ奥に、洗濯機と窯の部屋があります。
会社に行っている私が家に戻って玄関の戸を開けると
作業工程の時々に、いろんな風景が目に飛び込んできます。
朝・昼・夕方と風景が変わる時もあります。
桟板(さんいた)という細長い板の上に、陶土でできた物が
並び始める時があります。
ロクロ成型をするところを飛ばしてそれだけ見ると
まるで板から芽が出て生えてきたみたいです。
上の方は綺麗な形のお湯呑みだったり杯だったりするのですが
下の方はまだ形づくられていないまま板に載せられているので
若干いろんな方向を向いているところも愛らしい感じがします。
この後、鉋を使って形を作る「削り」という作業をするので
適当な硬さまで乾燥させるため、高いところに板ごと置かれます。
陶器屋さんは、様々な段階で桟板に品物を乗せて並べて
置かなければならないので、その板を置く専用のスペースが必要です。
そのスペースはなんというの?と聞いてみたのですが
「桟板を挿(さ)すところ・・・かな?」との答え。
名前は特にないようです。本当にないのかな。不思議ですねえ。
うちでは、窯の上に金属の棒を2本渡して、そのスペースを作っています。
窯焚きが終わった後、余熱を利用して洗濯物を乾かすのに
物干し竿の代わりにも使えて大変便利です。
素焼きが終わると、土間に新聞紙が敷き詰められる日があります。
連れ合いは新聞紙の真ん中で、大きなたらいに入った
たこ焼きの生地みたいな白いドロ~ンとした液体を
大きな柄杓でごっとんごっとん混ぜています。
「釉(くすり)掛け」という作業なのだそうです。
たまに、そこら辺に置き忘れられた靴にも釉掛けされていたりします。
昨年のこと、いつものように家に帰ってきたら
素焼き前の、見慣れた形の一輪挿の肩のところに
陶土でできた小鳥が止まっていました。
口の広い花生の縁にも水辺に降り立った風情の小鳥がいます。
つい寄っていって、あれこれ見たりしゃべったり。
「これが可愛い」とか、「こっちはなんか変」とかバッグも置かずに何分か。
こうやって、いつも仕事の邪魔ばかりしています。
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